T.不安全行動の種類
1.知識・技能不足 →品質・工費・工期・安全的に良い仕事は進められない
「知らない、できない」 知らない者ほど怖いものはない(何が危険か判らない)
※新規入場1週間以内の作業員は特に注意を要します(休業災害の約45%)
(対策)自ら経験を積むことや繰り返し教育等により低減はできます
(時間がある程度解決する)
※従業員の教育は、事業主のポリシーと熱意如何によって教育効果に
差異が生じます。そして教育効果が浸透するには、早くて1年前後経
過してから急変しますので根気が必要です
2.意欲の欠如 →自分除外(特に熟練者に多く、自分はケガをしないと過信
「やらない」 している者)
悪習慣・慣れ(昔からやっているやルール違反しても注意
されない・軽視している者)
※経験年数16年以上の熟練者が休業災害の約40%を占めています
(建設労務安全研究会)
(対策)@職場全体の雰囲気や結束力により共通の認識を持つ事が重要です
Aグループ全員でルールを守ることの重要性に気付かせる(根気よく)
B疑似体験で”ハッ”とさせることは、有効な方策です
3-1.人間の行動特性(内的要因)→ヒューマンファクター
(1)心理的要因
1.近道本能・省力本能 → めんどくさい、手抜き、横着
2.間違い・勘違い・錯覚 →だろう、思いこみ→揚重機に起因する災害が多い
3.緊急時の慌て・パニック→頭が真っ白、歩行者の飛び出し
(2)生理的要因
・疲労 ・睡眠不足 ・アルコール ・加齢 → 五感(視・聴・嗅・味・触)が鈍感
になります
3-2.人間の特性(外的要因)
1.目的や事象があいまいな時
2.作業が単調あるいは複雑すぎる時
3.作業がひっ迫している時
・人間の特性については、撲滅(皆無)は不可能だが、低減は可能です。
・人間の心は、知(知能)・情(感情)・意(意思←意欲←欲求)で構成。
・十人十色の人間が共同作業をするので、些細なことでも考え方や価値観の
相違から反感や感情のもつれが生じやすい。
これが不安全行動につながる最大原因です。
U.不安全行動の低減策
1.人間の行動は、感覚器官の刺激→インパルス信号を中枢神経→大脳皮
質→行動器官に指令→無意識に行動するので大脳を刺激しましょう。
行動目標1 職長を筆頭に皆が大きな声で挨拶し、指差呼称や一声かけ
を実践する。
行動目標2 メリハリのあるラジオ体操を実施し、身体を目覚めさせる。
(腹式呼吸も有効です)
※指差呼称の実験結果(鉄道総合技術研究所 平成6年)
何もしないケースと対比して84%の低減効果あり
ポイント1 全員に発言機会を与え、仲間意識や参加意欲の高揚に努める。
<効果として、みんなで決めたことについては、忠実に守るようになります>
<自分が発言したことは最低限守るようになり、仲間の目が気になります>
ポイント2 揚重機(使用機械)に実際乗ってもらい、死角等を疑似体験をさる。
<何事も経験する事が重要です→右脳にイメージ記憶させましょう>
予見能力は、個人差が大きいので、安全意識や予見能力の低い人については
毎日その日の行動目標を持たしましょう。
2.人間は感情の動物であることからこそ”やる気”が一番重要です
※やる気(動機づけ)が一番難敵です!
・やって見せて 言って聞かせて やらせて見て ほめてやらねば 人は動かず
( 山本 五十六 格言 )
自ら見本を示し、言い聞かし納得させる
↓
やらせてみる。※できるまで根気よく怒らずに繰り返すことがポイントです
↓
そしてできたならば、ほめる事がやる気を向上させます
メリハリのある現場は、職長会が活性化しており、職長自身がやりがいを持って
います。そして、事業主自らが現場に行き、現実を把握した上で職長職人と会
話し、事業主の違う目で従業員を指導する事が、安全意識の高揚や現場全体の
レベルアップにつながります。
<心得三カ条> <行動規範>
・感謝の気持ち ・真実のみの報連相
・相手の立場 ・悔いの残らない言動
・誠実に ・何事も行動する前に予知予測
|